愛すと殺すと
「んぐあ…おいし」
「それはそれは」
コロッケパンから口を離して、満面の笑みで感想を語った。
「あ、陽。イチゴオレもあーん」
「はい、あーん」
イチゴオレのパックを千晶の口許に持っていき、加えさせる。
ちゅうちゅうと吸われていくイチゴオレを見ていると。
「陽ー千晶今日ね、図書室行きたいの」
「なんで?」
千晶が図書室に行くなんて珍しい。
「調べものしたくて」
ヘヘヘと笑う千晶から、絶対に勉強関係じゃないなと推測。
なら、なんだ?
「どうしたんだ?何かあったか?」
「うーん、なんにも」
…なんか、怖い。
血の出ない殺人方法とか調べてたら身震いしちゃうぞ俺。
「放課後?昼休み?」
「今!今がいい!」
「じゃあ早く食わねえと」
コク、と千晶は頷いて、次々と口の中に己の力でメロンパンを消費させていく。
「あーん」してる場合じゃないと思ったらしい。