愛すと殺すと
「どうしたら…」
「菅原から布留を取り上げろ」
そうすれば布留は助かる。
…私は、最低だ。
布留を殺そうとする菅原を憎んで、菅原を壊そうとしている。
でも、やっぱり。
布留には幸せになってほしいから。
菅原のライバルになるこいつに入れ知恵とか、最低もいいとこだけど。
「大切なものを守るため――か」
昔、私の友人が言った言葉を思い出した。
大切なものを守るためなら、人は鬼にも蛇にもなる。
今の私は、それかもな。
「ま、頑張れ、みい」
みいの頭を撫でながら、またサンドイッチを頬張った。
ん、うまい。
さすが私の夫が作った一品。