愛すと殺すと
◇◇◇


昼休み。


先生に呼ばれてたので向かい、そこでお昼を食べた。

今回は購買を利用し、メニューはおにぎりと唐揚げ。



「質問するぞ。

菅原、お前よく眠れてるか?」


先生が千晶に話しかける。


「……」


無言の千晶。


「菅原ー」


また、話しかけた。

が。


「……あーん」


無視して俺の腕に抱きついて、あーんを要求してきた。


おとなしく唐揚げを口に放り込むと、あむあむと咀嚼を繰り返した。


「…ばかっぷるやってんなあ」


「あー、ノーコメント」


呆れた声が聞こえる。


一応精神科の先生でもある先生は、千晶を診断してるのだ。


本当は俺の診断をしたかったらしいけど、せっかく千晶が来たならと千晶をやりはじめた。


が。


「菅原ー」


「……」


「菅原ー」


「……ふぁ…ねむ…」

「ごちそうさま?」

「うーん…」


「菅原ぁあああああっ無視するなあぁあああっ」


「陽ーおにぎりー」

「食べるんだ。…はい、たらこでいい?」

「うんっ」


さっきから『よく眠れてる?』を聞きたくて仕方がないらしい先生が、ついにキレた。


が、メンタルが闘牛士並みに強い千晶は、それをまさに闘牛士みたいに華麗にスルー。


おにぎり(たらこ)のあーんを要求してきた。


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