愛すと殺すと
ホテルの一室で情事は行われる。
「陽くっ…陽ぉお!」
俺の上で息を荒くする女に辟易した。
――気持ち悪い。
この女…市川は、小3の頃からの常連だ。
よほど俺が好きなロリコンらしく、月一くらいの割合で来る。
家は裕福なお嬢様らしいが、
「…壊れてんな」
マザーと比べたらずっと若いし、顔だってきれいで。
なのに中1の俺に執着する。
「あぁああっ…陽く…」
何年たっても狂喜乱舞する彼女を、相変わらず冷めた目で見つめた。
不思議と、快楽は一切なかった。
「…陽くんは、彼女とかいるの?」
すりすりと俺にすりよってくる市川。
「なんで?」
「だって、モテそう」
「…お前のせいでいないよ」
皮肉たっぷりにそう言う。
と。
「じゃあ私が縛り付けてるってことになるのかな」
なぜか嬉しそうに笑った。
「…壊れてんな」
「陽くんが好きだからだよ」