愛すと殺すと
そのあと、バスに揺られ駅に向かい、駅で20分ほどいると電車がきた。
そこから一時間、電車で過ごす。
だんだんと景色が変わり、繁華街になり、その頃にはもう夕方と夜の真ん中だった。
赤なのか青なのかわからないごちゃまぜになった光を浴びる。
いつもなら、日暮れはいつも悲しげだ。
なのに、今日は。
今日の俺らは間違いなく希望に満ちていて、これからの未来が幸せに包まれたものだと、微塵も疑わなかった。
待ち合わせをしたらしい駅につく。
「うわあ…!」
千晶が、まるでケーキを前にした子供みたいな声を漏らす。
田舎丸だしだけど、仕方ないってくらいだった。
夜なのに人でごった返している。
色とりどりのネオンは、蛍の光よりずっと強い。
華やかな町、これが第一印象だった。
「ここら辺にいれば、きっと来るはず」
「楽しみだね?」
「な!」
鳳紀のことばに胸を膨らませる。
と。