初めては、あなたと……
『あの、さ…………』

曇った顔をした志哉に妙な胸騒ぎがした………


『ん?なんだ……?』


『あのさ、俺……


もうすぐ…死ぬ、んだ…………』




は………?!



『なん、だよ………それっ』


『おれ、もうすぐ病気でしぬんだ。

だから、死ぬ前に蒼太にお願いがあるんだ…………いい、か……?』


どんな、願いか知らないがなるべく叶えてやりたい。
そう、心から思った。


『分かった……なんだ?』

気がつけば、返事をしていた。

その時、ありえないほど冷静だった。
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