初めては、あなたと……





私は、香太のそばの椅子に座ると、少し話を話始めました。





『香太はね、小さい頃に事故にあったの。
その時に旦那が亡くなったんだけどね……ふふっ

しかも、香太をかばって死んだのよ。
ヒーローよね、ふふっ。

それでね、香太はその事故で心臓が悪くなってしまったの。

いつも、胸のあたりをおさえてね………

とても、苦しそうだった。

代われるものなら変わりたかった。
でも、それができない。こんな苦痛なことはないわ。

それでもね、香太は元気に小学校5年生まで頑張ってきたの。お医者さんもね、いつこのような状態が起こるかわからないって言っていたのよ。

だからね、決して美綺ちゃんが悪いわけではないわ。

それに、一命を取り留めたわけだし、神様に感謝しなきゃだわ、ふふっ。』


無理に、笑って話しているのが分かる。

そして、笑いながら静かに涙を流していた。


なぜか私も、もらい泣きをしてしまった。











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