君といる幸せ
「りっくん!」
「花菜、充電さして」
そのまま花菜に抱きつき、目を閉じていると、花菜に対する中傷の声が聞こえてきた。
我慢出来なくなった律は、花菜を抱きしめたまま、周囲の女の子達に向かって睨みつけた。
「ふざけんな!コイツの悪口言ってる奴誰だよ。コイツの悪口言う奴は誰だろうが許さねぇ!」
「りっくん…」
「…行くぞ」
律は花菜を連れてその場を立ち去った。
そんな二人に出遅れて、一人の男がこの騒ぎの中、現れた。
「あれ?この騒ぎの中心に律がいると思ったんだけど…アイツ何処に行ったんだ?」
「隼兄…」
「あれ?穂波?」
「噂の冷酷王子様なら、花菜と何処かに行ったけど…」
「はぁ!?」
二人がいなくなった後、こんなやり取りがされていたのであった。