君といる幸せ



それからしばらくすると、柚姫が保健室にやって来た。









「律先輩、お待たせしました」

「……あぁ」









外から柚姫の声が聞こえ、律は中から第二保健室の鍵を開け、柚姫を入れた。
そして柚姫が入ると、律はまた鍵を閉めたのであった。









「律先輩ですよね?今朝の掲示板に記事を貼ってくれたの」

「………」

「あの記事のおかげか、今日は何もされなかったんです。きっと律先輩が私のために動いてくれたからですよね。律先輩は本当に私のヒーローですね。…私、本当に嬉しかったです」








そう言った柚姫の目には涙を浮かべていた。
柚姫に対する仕打ちは、余程辛いものがあったのだろう。


律はそっと柚姫を抱きしめ、頭を撫でた。




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