君といる幸せ





「さて、そろそろ帰るか。暗くなる前に帰らないとな」

「あっ、もうこんな時間なんですね」

「…早いな」

「律先輩と過ごしていると、本当にあっという間です」

「俺も柚と過ごしてると、時間の感覚が狂う」

「何だか変な感じですね」

「あぁ…」

「それじゃぁ、律先輩。また明日」

「あぁ…。気を付けて帰れよ?」

「はい」








そう言うと、柚姫は先に第二保健室から出て行った。




これはここに来るようになってから、2人で決めたこと。
律と一緒にいるところを見られたら、柚姫がまた狙われる対象になりかねない。
そう判断した律は、時間差で出入りすることにしたのであった。



花菜の時の様には絶対にしたくないと、律なりに考えた結果だった。
その為、律が柚姫を送ってあげることは出来ない。
だから、暗くなる前には柚姫を帰すようにしていたのであった。






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