君といる幸せ
しかし、事態は甘くなかったようであった。
花菜は驚きの声を上げ、立ち上がった。
その声に驚いた律は、花菜のことを見ると、何だかとても辛そうな表情をしていた。
「何で奏大さんの携帯に貴女が出るの?」
『あぁ…奏大くんなら今、シャワーを浴びてるわよ。聞こえるでしょ?シャワーの音』
「っつ……」
『あら、ちゃんと聞こえたみたいね。…あっ、奏大くんが出てきたわ。変わる?』
「…」
『おい…俺の携帯で誰と電話してる』
「っ…か、な…た…さん…。イヤッ」
そう言うと花菜は携帯の電源を切ってしまったようであった。
不思議に思った律は立ち上がり、花菜に近付いた。
「おい、花菜。何があった?」
「イヤッ……やだ……やだ…」
「花菜っ!」
「イヤーーーっ!」
「花菜っ!」
そのまま花菜は倒れ、気を失ってしまった。
周りにいたいつものメンバーは驚きを隠せなかった。