君といる幸せ
「律先輩…。花菜は?」
「まだ診察室の中だ」
「ねぇ、律。花菜…大丈夫よね」
「わかんねー…」
4人の周りに重たい空気が流れ始めた。
それから誰も一言も喋らなくなってしまった。
すると、廊下をドタバタと走る足音が聞こえてきた。
「律っ!」
「兄貴…奏大くん…」
「花菜の容態は!?」
「それがまだ…」
「ちっ…」
律から状況を聞いた奏大は苛つきを抑えられなかったようで、舌打ちをしていた。
穂波は花菜の婚約者がどんな人なのかを見ようと、下げていた顔を上げた。
するとそこには、自分がよく知っている顔があった。