君といる幸せ
「おい、こら!人を呼び出しておいて、寝てるっていうのは、どういう神経してるんだよ」
そう言うと、その人物は律の耳にしてあったイヤフォンを取り、律の頭を思いっきり叩いたのであった。
「……ん……あぁ、隼大か…」
「隼大か…じゃねーわ!お前が昨日呼び出したんだろう?しかも、一方的にメール送って来て、返信したら連絡がつかなくなるってどういうことだよ…」
そう、屋上に来た人物とは、隼大であった。
隼大は昨日、律にメールで屋上に来るよう呼び出されたのであった。
しかし、そこには時間が書いておらず、返信したものの律からの応答はなかった。
仕方なく、登校した隼大は真っ先に教室に向かった。
けれど、見渡す限り、教室に律の姿はなかった。
下駄箱には律の靴があった為、学校に来ていることは間違いないのだが、律も律の鞄も教室には見当たらなかった。
隼大はまさかと思い、屋上に来たのであった。
するとどうだろう。
呼び出したはずの張本人が壁に寄りかかって寝ているではないか。
隼大は呆れながら、律のことを起こしたのであった。