君といる幸せ
それから律は、授業は真面目に受けるものの、隼大と絡んでいない限り、イヤフォンを付けて机に伏せて眠っていた。
そんな様子をも、教室に限らず、廊下にまで人集りを作り、律のことを観察し続けるファンの女の子達。
周りの男子達は若干引きつつ、3年目ともなると、その状況に慣れつつあった。
そしてお昼休み。
「律、早くお昼食べないと、時間なくなっちゃうわよ?」
「……」
「おい、こら!どこ行くんだよ」
律はあかねや隼大の質問に答えず、無言のまま教室を出てしまった。