君といる幸せ






「お姫様がさ、他の男と一緒にいるの見かけたらお前はどう思う?」

「嫌だ」

「じゃぁ、それがあかねや妹ちゃんだったら?」

「まぁ、そこまで嫌だという感情はない」

「お姫様から他の男の匂いが香ってきたら」

「実際、お前の匂いがしてきて腹が立った」

「じゃぁ、あかねや妹ちゃんだったら?」

「別に兄貴や奏大くんの匂いがしても嫌だとは思わない」








隼大はニヤリと笑って見せた。
そして、ついに確信に触れた。









「なぁ、お姫様とあかねや妹ちゃんに対する気持ちって何で違うんだと思う?」

「………」

「お前が言ってるのってさ、全部独占欲なんじゃねーの?」

「は?独占欲?」

「だってそうだろう?お姫様から他の男の匂いがするのが嫌、近付く男が許せない。お姫様の側にいるのは自分だけであって欲しいって、まさに独占欲の表れだろう?」

「………」

「なぁ、律。お前も薄々感じてんじゃねーの?じゃなきゃ、他人の感情には敏感なお前が気付かないって、有り得なくない?」

「………」

「なぁ、律。この際だからはっきり言うぞ?お前のお姫様に対する態度は独占欲だ。そして、お前はお姫様のことが好きなんじゃないか?」

「俺が柚姫のことを好き?」

「あぁ」








隼大の言葉に、律は驚きを隠せないでいた。





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