君といる幸せ





「律がお姫様のことを好きでなければ、今までのお前の不可解な行動の意味を説明出来ないだろう?」

「…どういうことだよ…」

「だってそうだろう?そもそもお前は、見知らぬ女の子のことを助けたり、自分の部屋に呼んで茶道の稽古をしたり、自分のテリトリーに他人を入れるなんてことはしないだろう?おまけに、デートするだなんて…お前がお姫様のことを好きでなければ、この不可解な行動の意味をどうやって説明すんだよ…」

「………」

「な?分かっただろう?律、お前はお姫様のことが好きなんだよ」

「俺が柚姫のことを好き?」

「あぁ、そうだよ。お前の心は気付かない振りを決め込んでいて、自分の感情を抑えてたみたいだが、お前の体は違ったみたいだな。体はお姫様のことが好き過ぎてブレーキが効かなくなって、キスしちまったんだよ。お前の言う、心と体が別人みたいで自分じゃないみたいだっていうのはそういうことだ。心よりも体が先にお姫様のことを欲したんだよ」

「………」

「なぁ、律。良い加減認めちゃえよ。そうすれば、心がスッキリするんじゃねーの?」








隼大の言葉に、律はしばらく考え込み、何も話さなくなってしまった。





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