君といる幸せ
どのくらいの時間が経過したのだろうか。
時間にしてみたら5分も経っていないだろうが、2人が沈黙のまま待っていると、とてつもなく時間が長く感じていた。
そしてついに、律が重たい口を開いた。
「なぁ、隼大」
「ん?」
「……お前の言う通り、俺は柚が好きみたいだ」
「あぁ」
「自分の気持ちを認めたら、何だかモヤモヤしていた心が晴れた気がする」
「だから言っただろう?」
「今まで自分の気持ちに何処かブレーキをかけてたんだと思う。そんな心に反して、体は正直に動いた。そういうことだろう?」
「あぁ。自分の気持ちを認めたんなら、そのままお姫様に…」
「だけど…」
「気持ちを伝えろ」と続くはずだった隼大の言葉は、律の言葉によって遮られてしまった。