君といる幸せ
「だけど…柚にはこの気持ちを伝えない」
「……は?」
隼大は一瞬、聞き間違いかと思い、反応するのが遅くなってしまった。
しかし、律の表情から、冗談ではないことを知り、隼大の表情も真剣な物へと変わっていった。
「何だよ、それ。お姫様のことを好きだって自覚したのに、伝えないってどういうことだよ…」
「言葉の意味通り」
「何でだよ…」
「俺が気持ちを伝えたら、今の関係が壊れる可能性だってあるだろう?」
「まぁな。けど…」
「今の関係が壊れるくらいなら、俺はこのままの状態で良い」
「…お前、草食系男子かよ…」
隼大は律の発言に苦笑いするしかなかった。