君といる幸せ
「それで、花菜はあの冷酷王子様とどういった関係なわけ?」
「りっくんは私のお兄ちゃんなの」
「そう、お兄ちゃんなの。…って、えぇーっ!何それー!」
どうやら屋上に居たのは、花菜と穂波だったようだ。
律は相手が花菜だとわかると、迷わず歩き出した。
「そんなに驚くことかな?」
「だって、私が知ってる限りじゃ、妹がいるだなんて情報はなかったけど…」
「そりゃぁ、コイツが俺に妹がいるって内緒にしてたからだよ」
「隼兄!何でここに?」
「教室に行ったら居なかったから、ここかなぁと…。それより、律のお姫様、初めまして。西條隼大って言って、穂波の兄です」
「は、初めまして…」
「可愛いね~。俺のかの…」
「はぁ!?何、寝言言ってんだ?お前になんか大事な花菜をやれるかよ」
そう言うと、律は隼大を突き飛ばし、花菜を抱き締めた。