君といる幸せ
それから時は流れ、12月25日。
今日はクリスマス。
律は、柚姫との待ち合わせの為に、駅前に来ていた。
「律先輩!」
「柚」
「遅くなっちゃってすみません…」
「いいよ、別に。それに、待ち合わせ時間よりは早いんだから、遅刻ではないだろう?」
「そうですけど…」
「ほら、行こう」
「…はい!」
そう言うと律は柚姫の手を握った。
2人で出掛けるようになって、当たり前の行為となっていたが、僅かに柚姫の指先から戸惑いが感じられ、律は不思議そうに首を傾げた。
「柚?どうした?」
「えっと…」
「あら?律じゃない!」
柚姫がどう答えて良いのか迷っていると、後ろから律を呼ぶ声が聞こえて来た。
2人は声がした方を振り向くと、そこには想像もしなかった人物がいて、柚姫は驚きを隠せないでいた。