君といる幸せ



「!」

「律、何してんの?」

「あかね…」








そう。
律を呼んだ人物とは、あかねであった。
律はまさかここであかねに遭遇するとは思いもよらず、溜め息をついていた。









「あのな…何してるって見りゃわかるだろう?話しかけんな…」

「だって、まさか律がいるとは思わなかったんだもの。ビックリするじゃない?しかも、律が女の子といるんですもの。これは話しかけないといけないじゃない?」

「ハァ~…。何でそうなるんだよ…」

「だって、律が他人…しかも女の子に興味を持つだなんて珍しいんだもの。……まぁ、最近のあんたを見てたら、何となくそういう存在の子がいるとは思ってたけどね~…」

「!お前…気付いてたのか?」

「勿論!幼馴染を舐めないでくれるかしら?」

「………」

「あ、ねぇ。貴女、名前何て言うの?」

「あっ…えっと…、一ノ瀬柚姫って言います。すみません…」

「何で謝るの?謝らないでよ~。律には良い傾向だと思ってるんだから!これからも律のことよろしくね?」

「えっ?あっ…はい…」

「てか、お前こんなところで立ち止まってて良いのかよ?」

「あー!そうだった。待ち合わせ時間に遅れちゃう!…じゃぁね、律、柚姫ちゃん」








そう言うと、あかねは走って行ってしまった。









「騒がしいやつ…」








律は嫌そうな表情をしていた。
そんな律の姿に、柚姫は疑問を抱いていたが、先程のあかねとのやり取りを思い返して、この関係が知られても良かったのかと戸惑っていた。



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