君といる幸せ



あれは3週間前のこと。
いつものように柚姫が第二保健室に向かっている時であった。


柚姫は廊下で立ち話をしているあかねとその友達の話を、偶然にも聞いてしまったのだ。









「あかね、 結婚するって本当?」

「えぇ、プロポーズされちゃった」

「良いなぁ~…」

「この幸せ者めっ!」

「だって律くんが…でしょ?」

「雨宮あかね…。その響き、良いなぁ~」

「本当に羨ましい」

「律くんは何て言ってるの?」

「律?…まぁ、前から決まってたような物だし、別に特に何も言ってなかったよ?」

「えぇー!じゃぁ、律くんは認めてるってこと?」

「まぁ、元々幼馴染の関係だし、兄妹同然で育ってるからね~…」








そのような話を偶然聞いてしまったのだ。
所々、聞こえない部分もあったが、何も知らない柚姫にとってみれば、内容が内容なだけに、ショックな出来事であった。


ショックを隠しつつも、いつも通り第二保健室へ行くと、その日に律からクリスマスに一緒に過ごそうと言われ、柚姫は頭の中が混乱してしまった。



しかし、それを言ってしまえば、今の関係が壊れてしまうと思い、柚姫は律に聞くことが出来ないでいた。


< 223 / 331 >

この作品をシェア

pagetop