君といる幸せ
次の日、律と柚姫は第二保健室で何時ものように会っていた。
「律先輩、もうすぐ卒業ですね…」
「あぁ。来週からは自由登校だし、この学校に来るのもあと僅かだな…」
「早いですね…」
「ん?何が?」
「当たり前のように一緒に過ごしてきた律先輩とのこの時間も、もうおしまいなんだなぁ~って思うと、この1年早かったなって…」
「……別に一生会えなくなるわけじゃない。学校では確かに会えなくなるかもしれないけど、外で会えるじゃん?」
「えっ?」
「何?柚姫は俺が卒業したら、もう会わないつもりでいたの?」
柚姫は律の言葉に驚いていた。
卒業したら会うことはないだろうと思っていただけに、律の言葉に心底驚いているようであった。
そんな柚姫の心の内がわかったのか、律は苦笑いしながら言葉を続けた。