君といる幸せ
「俺は卒業してからも、変わらず柚姫に会うつもりだったけど?」
「っ……」
「柚は違うの?」
「……良いんですか?」
「良いも何も、俺は柚姫に会いたい」
「……本当に良いんですか?」
「…柚おいで?」
律は柚姫の手を引っ張ると、そのまま自分の膝の上に柚姫を座らせた。
「り、律先輩…恥ずかしいです…」
そう言うと、柚姫は両手で顔を覆ってしまった。
「ねぇ、柚姫?柚姫はどうしたいの?」
「えっ?」
「俺が卒業したら、もう会わなくても良いの?柚の正直な気持ちを聞かせて?」
「……正直な…気持ち?」
「うん…」
柚姫は何か考えるような、困ったような表情を浮かべていた。
そして次第に、柚姫の目から大粒の涙が零れ始めたのであった。