君といる幸せ





「律先輩が大好きな物です」

「……開けて良い?」

「もちろんです」








柚姫の了承を得ると、律はきれいにラッピングされた箱を開けてみた。
すると中から…。









「チーズケーキ…と、クッキー?」

「はい!今回はスペシャルメニューです」

「スペシャル??」

「はい。律先輩が大好きなチーズケーキと…初めて私が律先輩にプレゼントしたクッキーだからスペシャルメニューです」

「あぁ、なるほど」

「……律先輩、覚えてますか?」

「もちろん。柚の手作りのお菓子を初めて食べた物だから覚えてるよ」

「良かった~」

「てか、このクッキー、食べるのもったいないんだけど…」

「今回のクッキーは、アイシングクッキーっていうんです。せっかくデコレーション頑張ったのて、ちゃんと食べてくださいね」

「あぁ。家に帰ったらちゃんと食べるよ」








そう言うと、律はお菓子の箱を蓋した。









「律先輩?」








いつもであれば、律はお菓子をその場で食べ始めるのであるが、なかなか食べ始めない律。
それどころか、開けた箱を直ぐに閉じてしまったのだ。
柚姫は不思議でたまらなかった。





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