君といる幸せ
律と柚姫は誰にも合わずに、学校の校門を潜った。
「誰にも会いませんでしたね」
「あぁ…」
「律先輩?」
柚姫がふと横を見てみると、律は校舎の方に振り返っていた。
「どうかしたんですか?」
「ん?…あぁ、悪い」
「いえ…」
「3年間、色々なことがあったなって思ったら、何だか懐かしいのと、寂しいのと、複雑な気分だ…」
「律先輩でもそんな気持ちになるんですね」
「律先輩でもっていうのが余計だから…」
そう言うと、律は柚姫のおでこを突っついた。