君といる幸せ
律が部屋で過ごしていると、ドアをノックする音が聞こえてきた。
「はい?」
「律、俺だ…」
「奏大くん?」
律は突然の訪問者に驚き、部屋のドアを開けた。
「珍しいね、奏大くんが俺を訪ねてくるだなんて…。しかも今日は1人?」
「…仕事帰りにちょっと寄ったんだ」
「そう」
「……それより、律。卒業、おめでとう」
「ありがとう…」
「よう、律。卒業おめでとう!」
「淳平くんも来てたんだ」
「あ…何だよ、その言い方!俺がいちゃ何か都合が悪いのか?大体、俺は奏大の専属運転手なんだから、いるのは当たり前だろう?」
「……」
「おい、淳平。俺の可愛い弟を虐めて良いと思ってるのか?…それより律。卒業おめでとう」
「…兄貴…」
そう。
奏大1人だと思っていた律は、次々と現れた淳平や創の存在に驚きを隠せないでいた。