君といる幸せ




「なぁ、律。その子のことをお前はどう思っているんだ?」

「………好きだよ。俺は柚姫が好き」

「なら、どうして気持ちを伝えないんだ?」

「………」

「律?」

「さっきも言ったけど、今はこの関係で満足して…」

「なぁ、律。お前、怖いんじゃないか?お前が気持ちを伝えたところで関係が崩れることを恐れてる。違うか?」

「………」

「奏大、それは違うんじゃねーの?今まで彼女が居なかったからと言って、まさかこれが初恋であるわけないだろうし」

「………」








淳平の言葉に、律は何も返せなかった。
そんな律の態度に気付いた淳平は、少し焦り始めた。









「り、律…。まさかと思うけど…お前、もしかして……」

「あぁ、そうだよ。柚姫が俺の初恋の相手だよ…」

「あ…そうなんだ…。悪い…」









律の言葉を聞いた淳平は、もう苦笑いするしかなかった。




< 273 / 331 >

この作品をシェア

pagetop