君といる幸せ
第5章 当たり前だった存在
*隠せない想い
律が卒業して以来、律と柚姫が会うことなく、4月を迎えていた。
そして今日は始業式。
柚姫は2年生となっていた。
新しいクラスに緊張した面持ちで、柚姫は教室に入っていった。
もう何人か教室に来ていたようで、席に座っている人もいれば、友達と話している人もいた。
あの一件以来、クラスメイト達と距離をとっていた柚姫にとって、友達と呼べる存在は居るはずがなかった。
柚姫は迷わずそのまま自分の席へと座り、鞄の中から小説を取り出し、読み始めたのであった。