君といる幸せ



「りっくん…廊下に…人が…」

「ん?…あぁ、野次馬か。………そうだ、ちょうどいい。
おい!お前ら!今度、雨宮花菜に手を出そうもんなら、男だろうが女だろうが容赦しない。もし、傷つけようもんなら、雨宮家を敵に回すと思え!」

「………」








律のドスの聞いた声に、誰もが息を飲んだ。
しかし、そんな状況にも屈せず、口を開いた者がいた。








「おー、怖い、怖い。流石は冷酷王子様。それにしてもこの野次馬の数は凄いな」

「……茶化すな、隼大」

「えぇーっ、だってそうだろう?どんな女の子にも冷たい態度で切り捨てる律が、唯一ぞっこんラブな女の子が現れて、今まさに喧嘩してるこんな楽しい状況、誰もほっとかねーだろ?」

「……隼大。これはお前の仕業だな?」

「なんのこと~?…ただね、こういう状況は俺は好きじゃないから、今後無いように見せしめってところかな?」

「悪趣味」

「律もその方が助かるだろ?これで大事な大事な花菜ちゃんに手を出そうなんて奴は居なくなるんだからさ。
あーぁ、冷酷王子様がまさか超がつくほどのシスコンだとはな~」

「うるせー!」








律の取り巻きを含め、野次馬達も二人のやり取りを見守っていた。
しかし、隼大から発せれた「シスコン」という言葉に、誰もが動揺し、騒ぎだした。



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