君といる幸せ


次の日。


雨宮家で茶会が開かれた。
そこには他の流派である家元が招待されており、律は緊張する中、披露した。




律は緊張を感じさせない程、堂々とした態度でお茶を点てていた。
そして、茶会は何事もなく終わり、お開きとなった。









「いやぁ~…雨宮さんもこんなに立派な跡継ぎがいて、羨ましいですな。うちは跡目問題に頭を悩ませています」

「一ノ瀬さんのところは確か…」

「一人娘です。娘の腕前は全く成長しない。それに比べ、雨宮さんの律くんは本当に素晴らしかった」

「お褒め頂き、ありがとうございます」

「これからの活躍を期待しているよ」

「はい」

「ところで雨宮さん。一つ、厚かましいお願いをしてもいいでしょうか?」








一ノ瀬流の家元は、真剣な面持ちで宗助に話し掛けた。




< 66 / 331 >

この作品をシェア

pagetop