君といる幸せ
次の日。
雨宮家で茶会が開かれた。
そこには他の流派である家元が招待されており、律は緊張する中、披露した。
律は緊張を感じさせない程、堂々とした態度でお茶を点てていた。
そして、茶会は何事もなく終わり、お開きとなった。
「いやぁ~…雨宮さんもこんなに立派な跡継ぎがいて、羨ましいですな。うちは跡目問題に頭を悩ませています」
「一ノ瀬さんのところは確か…」
「一人娘です。娘の腕前は全く成長しない。それに比べ、雨宮さんの律くんは本当に素晴らしかった」
「お褒め頂き、ありがとうございます」
「これからの活躍を期待しているよ」
「はい」
「ところで雨宮さん。一つ、厚かましいお願いをしてもいいでしょうか?」
一ノ瀬流の家元は、真剣な面持ちで宗助に話し掛けた。