君といる幸せ



月曜日。

律はいつも通り、あかねと一緒に何も変わらない様子で登校していた。









「律、土曜日はどうだったの?」

「何が?」

「何がって…あんたね…茶会だったんでしょ?しかも、律のお披露目を兼ねた茶会だって、創くん言ってたわよ?」

「あぁ…。まぁ、緊張はしたけど別に何事もなく終わった」

「何事もなくって…相変わらずクールね」

「別に…」








そう言うと、律はある場所に目を奪われた。
そんな律の目線に、不思議に思ったあかねが、律の名前を呼んだ。








「律?どうしたの?」

「……あかね、悪い。お前、先に行ってて」

「ちょっ…律?どうしたの?」








あかねは叫んだが、律はそのまま走って校舎裏へと行ってしまった。
律が校舎に入らずに校舎裏へと行ったことに、あかねは疑問を感じていた。


しかし、他の生徒が多く登校してきているこの時間帯に、校門前で立ち往生しているのは迷惑がかかる。
あかねは仕方なく、教室へと向かったのであった。




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