君といる幸せ


その頃律はというと、校舎裏を走っていた。
というのも、先程あかねと話をしている時に、1人の女の子が集団に引っ張られて連れて行かれる場面を目にしたのであった。


普段であれば、律も関わりたくない女の子のこと。
気付かない振りをして、教室に行っていただろう。


しかし、何か気になることがあったのか、律は自らその集団を追いかけた。





すると、倉庫の前で女の子の話し声が聞こえてきた。
どうやら相手は4人なようだ。
律は相手に気付かれないように、そっと様子を伺った。









「ねぇ、貴女なんでしょ?彼に近付いたの」

「ちがっ…」

「可愛い顔してやることが汚いわね。わざわざ彼女持ちの男に手を出すなんて」

「香奈美が可哀想だと思わなかったわけ?」

「泥棒猫」








すると、1人の女の子が全員で囲んでいた女の子のことを叩いた。
叩かれた拍子に、その女の子は倒れてしまった。
その様子を他の女の子達は、笑いながら見ていた。





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