君といる幸せ
そして、昼休み。
いつものメンバーで屋上に集まっていた。
話の話題は、花菜がつけている指輪について持ちきりだった。
「ねぇ、花菜が付けてる指輪って、MYU-cloverのでしょ? 」
「うん」
「良いなぁ~。私も創くんに買ってもらおうかな」
「兄貴だったらお前に甘いし、買ってくれるんじゃね?」
「律もそう思う?けどね、MYU-cloverって今人気で、予約半年待ちなのよね~… 」
「「!?」」
あかねの言葉に、律も隼大も驚きを隠せず、思わず花菜の指輪をまじまじと見てしまった。
「それだけ女の子に人気ってことよ。律も隼大覚えておきなさい。これからその情報が必要になってくる時があると思うわよ」
「へぇ~…」
「まぁ、2人ともそういう相手が出来ればの話だけどね」
「うっ…あかね、痛いとこついてくるね。でも、俺より律の方が心配じゃね?」
隼大はにやけ顔で律の方に視線を向けた。
そんな隼大の様子に律は完全にシカトした。
「おいっ、何か言えよ!」
「…俺は別に良い」
「はぁ!?」
「ブランドにしか興味のない女ならいらない」
「律…」
「りっくん…」
そう言うと律は寝転がり、そのまま眠ってしまった。
その場にいた全員が律が抱える問題の深刻さを感じていた。
そして、誰か律にも良い人が現れることを願うばかりであった。