君といる幸せ
次の日のお昼休み。
隼大の妹である、穂波は機嫌が良いらしく、鼻唄を歌っていた。
「穂波ちゃん、鼻唄なんか歌ってどうしたの?」
「あかねさん、今日花菜と一緒にショッピングセンターのセールに行くんです。もう、それが楽しみで、早く学校が終わらないかなぁ~って思って…」
「あら、良いわね」
「あかねちゃんも一緒に行く?」
「あら、良いの?」
「勿論です!あかねさんも一緒に行きましょう」
3人は放課後の話で盛り上がっていた。
そんな輪の中に入れないでいるのは男2人。
隼大は律に話し掛けた。
「律。セールだってよ?」
「俺パス」
「はぁ!?」
「…今日は家の用事があるんだよ。だから今日はこれから早退しなきゃならない」
「へぇ~…。忙しいんだな」
「仕方ないさ。俺が継ぐと決めた以上、通らなきゃいけない道のりだからな」
律は苦笑いしながら空を見上げた。
いつもと違う律の様子が気になりつつも、隼大にはどう声を掛けたら良いのか分からず、何とも言えなかった。