君といる幸せ




「私、私立聖和高校の1年です。先輩には、二度も助けて頂いて、本当に感謝しています。名前を存じ上げていなかったので、まさかこの場でお会い出来るとは思っておらず、先程のご無礼をお許しください」

「そうか、律と同じ高校だったとは…」

「私も雨宮さんの息子さんが私立聖和高校に通っているとは存じ上げておりませんで…」

「なぁ、助けたって、いつ?」

「…覚えていませんか?一度目は、転びそうになっていた時、二度目は絡まれているところを助けて頂き、ハンカチを貸して頂いた者です」








柚姫は律との出逢いを話した。
律は考えるような表情をすると、何か思い出したかのように、柚姫のことを見ていた。








「あぁ、あの時の」

「思い出して頂けましたか?その節はありがとうございました」

「……別に対したことはしてない」








柚姫の笑った顔に律は照れてしまい、そっぽを向いてしまった。
そんな2人のやり取りを、両方の父親達は微笑ましく見ていたとか。





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