時と花と少女
Ⅰ Flower Garden
-May-
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(私---........)
「え?」
目覚めが悪い。
なんて夢だ、一言で終わる夢なんて始めて見た。
時計を見れば午前四時、起床するべき時間の二時間前だ。
さて、何をするか。両親は出張へ出掛けており、家には俺一人だけ。
このまま支度をして蝶花公園にでもぶらぶらしとくか。
午前四時三十分、蝶花公園の鉄棒によりかかりながら左手にパン、右手に苺ミルクを持ち朝食を食べている俺は変だろうか。
チュンチュン…小鳥が俺のパンから落ちたパンカスを食べている。小鳥って早起きなんだな…。
そういえばここの近くに花畑とかなかったっけ?ちっさいころ良く母さんに連れてってもらってたな。
俺は飲み干した苺ミルクのパックをゴミ箱に捨て、花畑の方向へ向かった。
花の香りに包まれた風が吹く。
やっぱりここの花畑は綺麗だな、チューリップにラベンダー、バラにカーネーションなど色んな花がここにはある。
まるで絵のように凄く綺麗なんだ。
(すげぇ、懐かしい。)
俺が後ろに振り返ると…
ドスッ
「きゃっ?!」
(しまった。女子を転ばせてしまっ
た。)
「ぁ、えと…すいません、大丈夫ですか?」
俺は手を差し伸べた。
「はい、大丈夫です。私の不注意ですので。」
と、その少女はニコっと微笑み、白くて小さな手を俺の手の上に乗せた。
(やべぇ、シスターじゃん。俺罰あたるかも…)
首元には十字架のペンダント、黒くて長いワンピースを着ていた。
白くて雪のような肌に赤くて肩の下まで伸びた髪。凄く優しくて落ち着いた声は正に俺を惹きつけた。
「ふふっ…、あなた今 やばい、シスターじゃん。罰あたるかも なんて思ったでしょう?」
「あっ、はい思っちゃいました。」
「顔に思いっきりでていますよ。大丈夫です、私にぶつかってもなにも起こりませんから。」
とクスクス笑う少女は本当に花のように綺麗に見えた。
それから俺とこの少女は近くにあったベンチに座り、少し話をしていた。
「改めまして、朝霧 懍と申します。どうぞ、お見知りおきを。」
「あっ、えっと!俺は、柊 虹多。高校三年生です。宜しく!」
「虹多さん、高校三年生…私と同い年ですね!」
「えっ、あ、そうなんですか?」
「はい、私学校には通っていませんが、教会に通っているんです。」
(俺は凄く彼女が気になった。なぜ高校三年生にもなって学校に通っていないんだろう。なぜ教会に通っているんだろう。)
「え、どうしてーー......?」
「懍さーん!そろそろ朝の仕事がございますのでお戻り下さーい!」
一瞬で俺の質問は遠くから聞こえた女性の声に消されてしまった。
「はい!今行きます!
それでは、虹多さんお話の続きはまたいつか。」
「は、はい。また...。」
こうして彼女は花畑の中へ姿を消した。
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(私---........)
「え?」
目覚めが悪い。
なんて夢だ、一言で終わる夢なんて始めて見た。
時計を見れば午前四時、起床するべき時間の二時間前だ。
さて、何をするか。両親は出張へ出掛けており、家には俺一人だけ。
このまま支度をして蝶花公園にでもぶらぶらしとくか。
午前四時三十分、蝶花公園の鉄棒によりかかりながら左手にパン、右手に苺ミルクを持ち朝食を食べている俺は変だろうか。
チュンチュン…小鳥が俺のパンから落ちたパンカスを食べている。小鳥って早起きなんだな…。
そういえばここの近くに花畑とかなかったっけ?ちっさいころ良く母さんに連れてってもらってたな。
俺は飲み干した苺ミルクのパックをゴミ箱に捨て、花畑の方向へ向かった。
花の香りに包まれた風が吹く。
やっぱりここの花畑は綺麗だな、チューリップにラベンダー、バラにカーネーションなど色んな花がここにはある。
まるで絵のように凄く綺麗なんだ。
(すげぇ、懐かしい。)
俺が後ろに振り返ると…
ドスッ
「きゃっ?!」
(しまった。女子を転ばせてしまっ
た。)
「ぁ、えと…すいません、大丈夫ですか?」
俺は手を差し伸べた。
「はい、大丈夫です。私の不注意ですので。」
と、その少女はニコっと微笑み、白くて小さな手を俺の手の上に乗せた。
(やべぇ、シスターじゃん。俺罰あたるかも…)
首元には十字架のペンダント、黒くて長いワンピースを着ていた。
白くて雪のような肌に赤くて肩の下まで伸びた髪。凄く優しくて落ち着いた声は正に俺を惹きつけた。
「ふふっ…、あなた今 やばい、シスターじゃん。罰あたるかも なんて思ったでしょう?」
「あっ、はい思っちゃいました。」
「顔に思いっきりでていますよ。大丈夫です、私にぶつかってもなにも起こりませんから。」
とクスクス笑う少女は本当に花のように綺麗に見えた。
それから俺とこの少女は近くにあったベンチに座り、少し話をしていた。
「改めまして、朝霧 懍と申します。どうぞ、お見知りおきを。」
「あっ、えっと!俺は、柊 虹多。高校三年生です。宜しく!」
「虹多さん、高校三年生…私と同い年ですね!」
「えっ、あ、そうなんですか?」
「はい、私学校には通っていませんが、教会に通っているんです。」
(俺は凄く彼女が気になった。なぜ高校三年生にもなって学校に通っていないんだろう。なぜ教会に通っているんだろう。)
「え、どうしてーー......?」
「懍さーん!そろそろ朝の仕事がございますのでお戻り下さーい!」
一瞬で俺の質問は遠くから聞こえた女性の声に消されてしまった。
「はい!今行きます!
それでは、虹多さんお話の続きはまたいつか。」
「は、はい。また...。」
こうして彼女は花畑の中へ姿を消した。
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