LOVEFATE~理由~

「けど、いくら隣でも急に来んなら、
電話くらいして下さいよ。
番号知ってんだし。

ドアもチャイムじゃなく
あんな叩かれたら、
こっちも何かってびびんじゃないっすか」


篤君は、部屋に入りテレビを観ながら勝手飲み始めている私に、

グラスとあてになりそうなおかきの袋を開いてテーブルの上に置いてくれた



私は礼を言うと、

缶のまま口付けていたビールの残りを、
コップに注いだ




「あ、このおかき美味しい」


私は出されたおかきを一つ、
口に運んだ




「あ、それ、北海道のおかきみたいなんすけど、
けっこう旨いんすよ」




「へぇ、篤君、今は北海道の女と付き合ってんだ?」



どうせ、女が正月に実家にでも帰省して買って来た、

お土産なんだろう





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