LOVEFATE~理由~
俊ちゃんが最新のゲーム機で、
そのTRIANGLEのDVDを再生させてくれる
部屋の床に置かれた平たいクッションに、
私はちょこんと座る
俊ちゃんも、
ほんの少し離れた所に座っている
その距離が近くて、
ドキドキとする――…
座る体勢を直す振りをして、
もう少しだけ近付いてみた
「新人とは思えないくらいに、
いい曲だよな。
演奏上手いし」
「う、うん…」
私は慌てて、
テレビ画面に映し出されたそのTRIANGLEを観た
うん、確かに凄くいい
凄くいいけど、
それどころじゃなくて落ち着かない
流れる音楽も、
耳に入って来ない
そんな風に、緊張してドキドキとしている私の事を、
俊ちゃんには違う風に見えたみたい
私に、困ったような悲しい目を向けている