LOVEFATE~理由~

「けど、そのシュンちゃんも理由があって無理なんだったら、

他の男を好きになれよ」


その声が、先程とは違い真剣で



だからか、
私も真剣に考えてしまった



社長の言っている事は、

単純だけど正しいのだと思う



私が俊ちゃん以外の人を好きになれたら



流産した子供の事を引きずり思いながらも、

他の男性とならば幸せになろうと思えるのかもしれない




私はその子供を守れなかった罪の意識もあり、

幸せを遠ざけている




俊ちゃん以外の男性を好きになれれば、

それを忘れて幸せになりたいと思うくらいに私は軽薄な人間なのだと分かっている




今も俊ちゃんを好きと思うからこそ、

その流産した事にずっと強く縛られているだけ




俊ちゃんを好きだと思う度に、

私のお腹の子供を殺した彼が許せないと思うから




そんな俊ちゃんを思う私も許せないって――…





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