LOVEFATE~理由~
もう、とっくに家の中に入っているはずなのに、
俊ちゃんは私の部屋へと上がって来ない
先程、窓から俊ちゃんと蘭子ちゃんの姿を見てから、
既に5分は経っているのに
私は床に座っていたが立ち上がると、
待ちきれずに部屋から出た
すると、微かに俊ちゃんと蘭子ちゃんの声が聞こえた
それは階段で話しているからか、
二人の声がここ迄響いている
「――蘭子、お前なんで兄貴に言うんだよ?」
それは、俊ちゃんの声
先程見た二人は楽しそうに歩いていたのに、
今はどこかギスギスとしている
「だって、黙っていたら亮ちゃんを騙しているみたいでしょ!」
「だからって。
今日、家帰って俺は兄貴にどんな顔して会えばいいんだよ。
言うなら言うで、
なんで俺に先に言わないんだよ。
いつもお前はそうだよな。
勝手で」