LOVEFATE~理由~
past 4②
俊ちゃんが部屋から出て行き暫くすると、
パートに行っていた母親が帰宅したのか、
階下が夕食の支度で騒がしい
私は床に寝転んでいたから、
その音がよく聞こえた
私は手を伸ばし、
充電器に挿している携帯電話を手に取った
そして、アドレス帳から倉木充を探し、
電話を掛ける
まさか、倉木さんにこうやって電話する事があるなんて思わなかった
プルルルーと何度か鳴り
『――はい。
英梨ちゃん、どうしたの?
分からない問題でもあった?』
電話の向こうの倉木さんは、
思いかげない私の電話に驚いていた