LOVEFATE~理由~
私はクロークに荷物とコートを預け受付けでご祝儀を渡すと、
新婦側の招待客の控え室へと向かう
俊ちゃんに会ってしまうのが怖くて、
俯き、受付前のラウンジを足早に通り過ぎる
ラウンジでは、
来賓者達が置かれている無料のドリンクを口にしたり、
雑談を楽しんでいる
私の親戚や姉の友人等見知った顔もあるが、
殆どが知らない人達ばかり
床に敷かれている絨毯が柔らかくて、
馴れないヒールを履いたせいで上手く歩けない
いつも履かないような高いヒールを無理して履いたのもそうだけど
今着ているブルーのパーティードレスも、
高い物を昨日買った
それに、朝から美容室に行き髪をセットして貰い、
化粧だって、
いつもよりも丁寧にした
こんなにも着飾った理由は、
新婦の家族として恥ずかしくないようにではなく
俊ちゃんに、会えるから
だから、俊ちゃんの目に綺麗に写りたくて、
目一杯出来る事をしてしまった
俊ちゃんにもうすぐ会えると思うだけで、
胸が破裂しそうな程ドキドキとしている
なのに、会う事が怖くて今みたいに会わないようにと、
避けてしまう