LOVEFATE~理由~
「こんばんは。
お邪魔します」
お土産に買って来た、
ケーキを蘭子ちゃんに渡した
「あー、ケーキ。
私、ケーキ好きだから嬉しい」
ケーキの入った箱を持ち、
はしゃぐ蘭子ちゃんを亮ちゃんが微笑み見ている
蘭子ちゃん、本当に幸せなんだなぁ…
蘭子ちゃんはケーキが本当に大好き
昔、私が風邪を引いた時だって、
私にケーキを買って来たと言いながら、
蘭子ちゃんが一番喜んで食べていた
「英梨、スリッパ」
亮ちゃんが私にスリッパを用意してくれた
「ありがとう」
私はスリッパを履き、
先を歩く二人の後を付いて行く
玄関からの廊下の先にドアがあり、
その向こうがダイニングやリビングなのだろう
ドアを開けたのが亮ちゃんで、
蘭子ちゃんは冷蔵庫にケーキをしまう為か、
そそくさとその向こうに消えた
私も何も考えず、
開いて貰っているそのドアを通り抜けようとしたけど――