LOVEFATE~理由~
「嫌じゃないよ。
俊ちゃんに会えて、嬉しいよ」
ポツリ、とその言葉が出てしまう
会えばよけい辛いと分かっていても、
俊ちゃんに会えて嬉しくて仕方ない
「俺も…」
その言葉に、小さく頷いてしまう
私と俊ちゃんの間に流れる空気が、
今にもお互いを求めてしまいそうだから
手が届いてしまわないように、
一歩後ろに下がった
そして、慌てて話題を変える
「俊ちゃんは今は何してるの?
大学卒業したんでしょ?」
3年前のあの時はまだ、
俊ちゃんは大学の三回生だった
多分、俊ちゃんは留年ずに卒業したと思うから、
もう立派な社会人になっているはず
「俺?
そっかぁ。英梨、蘭子とも全然連絡取って無かったんだよな。
なら、俺が今は何してるか知らないよな」
「うん。
俊ちゃんだけじゃなく、
みんなが何してるか知らないよ」
ただ、亮ちゃんだけは想像が付く
亮ちゃんは大手の証券会社で働いていた
多分、今もその会社で働いていると思う