LOVEFATE~理由~
「俊太のスニーカーあるから、帰ってんだろ。
英梨、こちらは?」
亮ちゃんはちらり、
と倉木さんの方に目線を向けた
その目は何処となく倉木さんが私とどう言う関係なのか、
疑っている
「夜分に押し掛けてすみません。
僕は倉木と申しますが、
俊太には大学でいつもお世話になってて」
倉木さんがそう言うと、亮ちゃんは固かった表情を緩めたが
「俊太に用があって訪ねて来たんだと思うけど、
倉木君はなんで英梨と一緒なの?」
「今、そこで偶然倉木さんと会って!
倉木さんには、以前私家庭教師して貰っていたから、
面識あって…で…」
亮ちゃんのその質問に倉木さんが答える前に、
私が先にそう割り込んだ
倉木さんも私に話を合わせてくれたのか、
特に否定はしなかった
いつか、亮ちゃんも私と倉木さんの関係を知る事になるのだろうけど、
今はまだ知られたくない
それに、まだ俊ちゃんにも話していないのに、
こんな玄関先で亮ちゃんと揉めたくない
きっと、亮ちゃんは私と倉木さんの事を認めない