LOVEFATE~理由~
「――あれ、英梨だけじゃなく、倉木も?」
俊ちゃんは床に座り込みベッドにもたれてDSをしていたが、
私達を見て、
それを閉じてゲーム機をベッドの上に置いた
私の横に居る倉木さんに、
不思議そうに目を向けている
「英梨と倉木、二人は下でたまたま会ったの?」
「え、っと…」
先程亮ちゃんにはするすると嘘を付けたのに、
言葉が出て来ない
「つーか、なに二人共黙りこんで。
とりあえず英梨も倉木も部屋に入れよ」
俊ちゃんは何も疑う事もないのか、
笑顔で私達を呼ぶ
私と倉木さんは頷き俊ちゃんの近くに行くと、
腰をゆっくりと下ろした
「あ、けど、英梨、俺に何か話あるんだろ?
それは倉木が居ても大丈夫なら今聞くけど」
「あ、うん…。
実は…私……」
「――なに?」
「私……」
いざってなると、自分でも驚くくらいに言葉が出て来ない
それに、どう言う言葉でそれを俊ちゃんに伝えていいのか分からない
出来るだけ、俊ちゃんを傷付けないようにしたい