LOVEFATE~理由~
「私妊娠していたんだけど…。
もう居ない…のかな…」
そう言い切る前に、
涙が目から溢れて来て言葉に詰まる
「英梨」
答える代わりに私の名を呼んだ母親の声で、
もう私のお腹に居ないのだと絶望してしまう
意識を失う前、
自分の体から流れ出したあの感覚――…
「夕べ、亮介君が救急車を呼んで、英梨に付き添ってくれたの。
英梨、一体何があったのよ?
亮介君も、分からないとしか言わないから」
今にも泣き叫びそうな、
お母さんの声
あの後、亮ちゃんが救急車を呼び、
病院に迄付き添ってくれたんだ
亮ちゃん、俊ちゃんが私のお腹を蹴っていた所を見ていたのに、
それを言わなかったんだ