LOVEFATE~理由~
「成瀬さん!
この責任は、俊太だけじゃなくて、
私や家内も負います。
英梨ちゃんには、一生償って行きます。
だから、この事はどうか私達の間だけでおさめて頂けないでしょうか」
おじさんはソファーから降りて、
私のお父さんの前へ行き土下座をしている
おばさんも、同じように
「――こちらも、我が子のように思っている俊太君を、
警察につきだそうとか思ってない。
ただ、なんでって…やりきれない」
お父さんは、今回の事で警察に被害届けを出すつもりはないのだと、
それを聞いて安心した
なら、もう私はこれ以上この事はどうだっていい
もう、大切なものは失ってしまった後だから、
こんな話し合いに意味がない
俊ちゃんの両親は、
何度もお父さんに頭を下げていた
おばさんは泣いていて、
私のお母さんも泣いている
お父さんが、涙ながらに俊ちゃんに責めるように何かを言っていたが、
もう私の頭に入って来ない
ただ、そんな俊ちゃんの姿を、私のお腹の子を殺したのだと、
憎むように見ていた