LOVEFATE~理由~
「うーん…。
ま、よしとするか。
こっちは君が18歳未満だったら困るだけだから。
さっきの初体験の話とかで、疑ってた訳じゃないけど、一応だから」
その言葉に、安堵のため息が出た
「それにしても、俺と同じ成瀬なんだよな~」
成瀬社長はその予備校の学生証にもう一度視線を落とすと、
それを私に返して来た
「で、芸名どうする?」
「芸名ですか?」
そういえば、先程宣材に使うPR用紙にも、
“芸名”の項目があった
埋めれず、空白のままだ
「本名で、AV出るわけにいかないだろ?
親バレとか色々」
「それは…」
本名でAV女優になる
本名じゃなくても、
私がAV女優なのだといずれみんなに、
バレるかもしれない
両親や蘭子ちゃん
亮ちゃんに、そして俊ちゃん…
みんなの顔を思い出すと、
本名を名乗る気にはなれない
みんなが呼んでくれた、
本当の名前は
AV女優になる事に、
初めて後ろめたさを感じた